『serial experiments lain』は1998年に放送されたアニメ作品です。
ストーリーは、ネットワーク上の仮想空間「ワイヤード」を舞台に少女・岩倉玲音が様々な怪事件に巻き込まれていくというサイコホラーとなっています。
前回の記事では、第5話「Layer:05 Distortion」のあらすじをご紹介し、考察ポイントを解説しました。
第5話では、ワイヤードの神を自称する存在の登場や、玲音の姉・美香がナイツの犠牲となるなど、難解ながら衝撃的な回でした。
今回は、第6話「Layer:06 KIDS」のあらすじ・見どころ・考察ポイントを解説します。

『lain』を見るならU-NEXTがオススメです!
・31日間の無料お試し期間がある!
・見放題の映像作品が22万以上!
・書籍作品も60万冊以上!
・1契約で最大4台のデバイスで同時視聴ができる!
・初回登録で600ポイントもらえる!
↓登録はこちらから↓
第6話のあらすじ

「Layer:06 DISTORTION」 監督・演出・絵コンテ:中村隆太郎 脚本:小中千昭
ありすや樹里たちと街に遊びに出かけた玲音。
『serial experiments lain』第6話「layer:06 KIDS」
ふと気がつくと、小学生の兄弟が空を仰いでいる。青空に浮かぶ雲。
その雲が動きだし、雲の合間からは、こちらを見下ろす人影らしきものが現れた。
第6話では、岩倉玲音はNAVIを大幅に改造して、ワイヤードとの繋がりを深めていく。その背景には玲音に入れ知恵をするナイツの影があった。
また、玲音は瑞樹ありすと出かけた際に、不的な笑みを浮かべ両手を広げて空を見上げる子供を目撃する。
その子供たちの視線の先の空には、なんと裸の玲音の姿が現れ出したのだった!
この現象を何者かの仕業であると考えた玲音は、ワイヤードで情報を集め、かつて「ケンジントン実験」と呼ばれる子供を使った実験を行ったホジソン教授と邂逅する。
そして玲音は、今回の事件はケンジントン実験を模倣したものであり、それはナイツによる暗躍であることを突き止めた。
こうして玲音は、ついに自分の周りで不可解な事件を起こす者の正体がナイツであると知ることになり、物語は加速していくのである。
第6話の見どころ
第6話は、全13話の中でも特にホラー色が強く、不気味な回となりました。
ここでは、そんな第6話の見どころを2点ご紹介します。
玲音と会話するナイツ
第6話冒頭では、玲音の改造されたNAVIに父・康雄が驚愕する姿からスタートします。
玲音のNAVIは無秩序にカスタムされており、さらに冷却装置によって床が浸水するレベルにまで達しています。
その真ん中で玲音は、うっとりとした表情でNAVIの画面を見つめているという異質な光景が映し出されます。
この玲音によるNAVIの魔改造は、ワイヤード内でナイツから教わったものであると明らかにされました。
また、玲音はワイヤード内でナイツのメンバーと楽しそうに話している姿も描かれます。
これによって玲音の周りでナイツが活動していることが分かりました。これまでの怪事件もナイツの仕業であった可能性はかなり高くなったと言えるでしょう。
玲音を崇める子供
第6話最大の見どころとなるのが、ナイツの陰謀によって子供たちが両手を広げて見上げた空の先に”裸の玲音”が出現するシーンです。
洗脳を受けたかのような不敵な笑みを浮かべる子供たち。
全13話の中でも特に不気味なシーンであり、屈指のホラー回と言えるでしょう。
一方で、”裸の玲音”には神々しさと美しさがあり、狂気に満ちた子供たちとは対照的に描かれている点も印象的です。
また、脚本家・小中千昭氏の別作品『ウルトラマンティガ』25話「悪魔の審判」でも、悪魔・キリエル人によって洗脳された市民が突如街に出現した天使像を崇拝するシーンが登場しており、”裸の玲音”像と酷似しています。
前回の記事でも、ナイツは玲音をワイヤードの巫女や女神のように扱っている節がある点について述べましたが、今回もワイヤードの女神としての玲音を遂に現実のものにしてしまった感が否めません。
不気味さと美しさが交じり合うこのシーンは、『serious experiments lain』の中でも特に異彩を放っているシーンの1つと言えるでしょう。
廃人となった姉・美香
他にも第6話で注目すべきポイントは、玲音の姉・岩倉美香の存在です。
前回の第5話では、「預言を実行せよ」という言葉に追われ、最終的にはドッペルゲンガーの如く、もう一人の自分に遭遇したことで姿を消されてしまいます。
美香はどうなってしまったのか、亡き者にされてしまったのか。
第5話では美香のその後は謎のまま終わってしまいました。
そんな中、第6話でも美香は登場し、生きていたことが判明します。
しかし美香は、精神に異常をきたしているようであり、母・美穂の問いかけに答えるどころか喋ることさえ出来なくなってしまいます。
これまで美香は、玲音の周りで起こる事件とは関わりがない「普通の人間」として描かれてきましたが、ここにきて以前とは違う姿に大きなギャップが生まれました。
美香が今後どうなってしまうのか、要注目の展開です。
第6話の考察
ここでは、第6話「Layer:06 KIDS」の考察ポイントを3点、ご紹介します。
ケンジントン実験とは何か
子供たちが見上げた空の先に出現した玲音像を調査するため、玲音はワイヤードで情報を集めることになります。
そして玲音は、ホジソン教授の下で行われた「ケンジントン実験」に辿り着いたのでした。
ケンジントン実験は、子供が持つ微弱な超能力のようなもの『サイ』を、「アウター・レセプト」と呼ばれる受容体によって結集させる実験でした。
その結果、子供たちのサイを集めた黒い箱「KIDシステム」を開発します。これこそがタイトルにもある「キッズ」と呼ばれるものだったのです。
しかし、利用された子供たちは実験の中で犠牲となり、消滅してしまいます。そのため、ホジソン教授は「子供殺し」の異名をとることになります。
また、ケンジントン実験のモデルとされているのは、第二次世界大戦中にアメリカ海軍で行われたと噂される「フィラデルフィア実験」です。
フィラデルフィア実験とは、戦艦を不可視化する目的で行われたステルス実験とされています。
しかし、実験は失敗に終わり、乗組員は甲板や壁にめり込み、発狂したとも言われてるのです。
まさに、ケンジントン実験で子供が犠牲となった点は、フィラデルフィア実験の顛末が色濃く反映されています。
ケンジントン実験とナイツの暗躍
ケンジントン実験によって発明された「KIDシステム」は、ホジソン教授によって粉砕されました。
しかし、その後ワイヤード上にKIDシステムの設計図が流失し、裸の玲音像が出現する事件に利用されてしまったのでした。
玲音はその首謀者がナイツだと突き止め、ついにナイツの暗躍に気づきます。
これまでナイツは玲音の周りで事件を起こしつつも、玲音には気づかれない程度のものばかりでした。
しかし、ここに来てナイツは玲音の目の前で事件を起こしています。これからは玲音を直接巻き込んで一気に展開が進むことになるかもしれません。
また、「ナイツの目的は何なのか?」も気になるところです。
現時点で言えることは、ワイヤードの世界から現実世界に影響を及ぼそうとしていること、それは玲音を巻き込んで行われているということです。
今後は、ナイツと玲音の関係性に目が離せません!
黒ずくめの正体は何か
第6話終盤では、これまで玲音を監視していた黒ずくめの男2人と玲音が遂に対面を果たします。
玲音は2人の正体がナイツであると確信し、問い詰めます。しかしその瞬間、玲音のNAVIの冷却装置が爆発してしまうのです。
黒ずくめの男は、「自分たちがナイツでないこと」「冷却装置の爆破はナイツの仕業」であることを告げて玲音の元を去っていくのでした。
これまで黒ずくめの男2人は何度も玲音の周りで姿を見せていたため、ナイツの正体である可能性が最も高い人物でした。
しかし今回の第6話でナイツではないことが明かされました。
では、彼らはなぜ玲音の周りに現れるのか。ナイツとはどんな関係なのか。第6話の時点では詳細は不明です。
しかし、黒ずくめの男2人がナイツでないのならば、ナイツとは異なる勢力の存在、そしてナイツ同様に玲音を狙うことが目的である可能性は否めないでしょう。
まとめ
今回は、『serial experiments lain』第6話「Layer:06 KIDS」のあらすじ・考察ポイントなどを解説しました。
洗脳された子供の空虚な笑顔、空に浮かび上がる裸の玲音など不気味であり狂気的なシーンが強烈なインパクトを残しており、シリーズ屈指のホラー回となっています。
また、玲音がついにナイツが自分の周りで暗躍していることに気づいた回でもあり、玲音とナイツの関係がどうなっていくのか期待が高まる展開となりそうです。
第7話にも要注目です!